第104章

オープンキッチンは、リビングからでもその全貌がひと目で見渡せた。

白いワークトップには色鮮やかな野菜や果物、そして肉が並べられている。窓から差し込む朝の光がそれらを照らし出し、そこには飾らない、温かな日常の風景が広がっていた。

司はその場にすらりと立っていた。身にまとっているのは、ライトグレーのルームウェア。

仕事中のような鋭さは影を潜め、代わりに柔らかな空気を漂わせており、どこか親しみやすさを感じさせる。

とりわけ目を引くのは、その長く美しい指先だ。食材を刻む手つきは、驚くほど手慣れていて無駄がない。

ほんの数秒、栞は彼が天性の料理人なのではないかと錯覚したほどだ。

だが、その...

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