第120章

栞は世間知らずの小娘ではない。その瞬間、自分が何に触れてしまったのか、そして彼がなぜあんな反応をしたのか、痛いほど理解していた。

慌てて手を引っ込めると、小動物のように身を縮め、ピタリと動けなくなった。

「わ、わざとじゃなくて……」

彼にちょっかいを出してしまったのは、これで何度目だろうか。

もう数え切れない。

他の上司なら、とっくに何度クビを切られていてもおかしくない。

司は彼女のその哀れっぽい様子を見て、ひどく呆れたようにため息をついた。

「休みだから家で休んでいろと言ったのに、どうしていつもふらふら出歩くんだ?」

「しかも、そのたびにトラブルに巻き込まれる」

「いっそ...

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