第14章

栞は大学時代から、さまざまな会議の進行役を務めてきた。

今は一ノ瀬グループのスポークスパーソン。場慣れしていないはずがない。

頬に貼りつけた微笑みは、型通りで、同時に非の打ちどころなくプロのそれだった。

「一ノ瀬社長」

遠はモニターを見つめたまま、わずかに眉を寄せる。

「相沢さんって、そこまで優秀なんですか。神谷が手放すなんて、もったいないですね」

ミッドナイトで栞と遭遇したあの日以来、司は遠に“件の経緯”を洗わせていた。

彼女が神谷のために走り回ってきたことも。

蓮と美月の、あの醜い一件も。

すべて、漏れなく。

野心も合理性も強い遠には理解しがたい。

どうして蓮は、こ...

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