第16章

寧々が「はい」と短く応えると、蓮はさらに念を押した。

「美月には知られないように」

「かしこまりました」

彼が車に乗り込むと、美月は不安げに眉を寄せて覗き込む。

「蓮……最近、ずっと悩みごとばっかりだよ」

そして、ふっと笑って提案した。

「ねえ、旅行に行こう? 気分転換しようよ」

女の子らしい心配そうな視線と、優しい段取り。断れるはずがなかった。

「全部、美月の言うとおりでいい」

「うん! 3日後、一緒に行こ!」

彼は彼女に付き合って街を回り、買い物袋をいくつも増やした。最後に美月を家まで送り届けてから、ハンドルを切って自宅のヴィラへ向かう。

街灯がともりはじめ、看板の...

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