第19章

「栞!」

抑え込んでいた静香の怒りが、ついに堪えきれず噴き出した。

「……あんた、よくそんなことができるわね? あそこは神谷家の本家よ。どうしてあなた名義にできるの!」

源一郎の顔色もさっと変わる。

ただ、彼は静香よりはまだ理性が利いた。けれど口を開けば、そこには露骨な不満が滲んでいた。

「栞。君が辛い思いをしたのは分かっている。だが本家は神谷の血筋に残すものだ。そんな形は許されない」

「……つまり、私は部外者ってことですか?」

栞は笑みを浮かべたまま、まるで痛くも痒くもないという顔をしてみせる。

「そういえば昔、ブルーコーストを買い戻せたのは、その『部外者』の私が動いたから...

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