第20章

「よくやった」

満ち足りた蓮は、やけに機嫌がいい。

「彼女に合いそうなプレゼントを選んでこい。それと赤いバラの花束も手配しろ」

栞が自分から会社に戻って火消しをしてくれたのなら、あとは少し甘い顔をしてやればいい。

前みたいに水のように優しかった彼女を思い出すと、蓮は喉の奥がからついた。目を細める。

今夜は仲直りにはうってつけだ。たっぷり可愛がってやる。

――そう思ってAIプロジェクト部へ向かったのに、栞はもういなかった。

栞は美云を連れて、臨海市でも名の知れた高級和食店・藤よしへ行っていた。味も格も、間違いない店だ。

ただし美云の顔に笑みは薄い。何か言いたげで、言えずにいる。...

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