第22章

寧々は顔色の悪い栞を見た瞬間、今日の件はもう隠し通せないと悟った。それでも、かすれそうな声で呼びかける。

「奥様……」

「どいて」

声は低い。だが、その瞳に宿る冷えが刺さって、寧々はそれ以上止められない。形だけ一秒ほどためらい、脇へ退いた。

栞はそのまま、ドンッと扉を蹴り開ける。

――目の前にあったのは、美月が蓮の上に跨っている光景だった。

男の服はまだどうにか保たれている。大きなデスク越しに見えるのは、シャツの乱れた皺くらい。

だが、彼の腕の中の美月は別だ。ワンピースは半分ずり落ち、隠すべきところは何ひとつ隠れていない。

なにより、蓮の手が――彼女の胸元の柔らかさに、当然の...

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