第24章

「……あり得ないでしょ」

栞は歩美の手からスマホを取り上げた。衝動のまま、やってはいけないことに手を出しかねないと思ったのだ。

「前はね、手続きが終わるまでは、何も起きないようにって思ってた」

「でも今は、全部表に出ちゃった。これ以上、何を我慢するの? ……ただ」

ふと、あいつの「絶対に離婚しない」という執着を思い出し、栞は眉をひそめた。

「離婚が成立するまでは、大きな衝突はしない。しばらく好きにさせる」

本当に報復するなら――一番痛いところを踏み抜く。

「じゃあ今は? 黙って耐えるの?」歩美は栞の落ち着いた横顔を見つめながら、その奥の哀しさを確かに感じ取っていた。

長い恋を...

ログインして続きを読む