第32章

「私とあの人は清く正しい関係よ。あんたが汚れてるから、何でも汚く見えるの!」

栞は怒りで震えた。

蓮が監禁なんて真似に出るなんて、夢にも思わなかった。扉を力任せに叩きつける。

「開けて!」

廊下側にいる男の頬が、ぴくりと引きつる。

――こんなに取り乱すってことは、それだけ司が大事だって証拠なのか?

蓮の目に険が走る。声は氷のように冷たかった。

「お前が落ち着いて、司と連絡を取るのをやめたら出してやる」

「何よそれ! 監禁じゃない、犯罪よ!」

外から、ひやりとした笑い声が返ってきた。

「監禁だって言うなら、そこでじっくり考えろ」

それきりだった。どれだけ扉を叩いても、どれ...

ログインして続きを読む