第35章

「そうだよ。絶対――そうに決まってる!」

歩美が思わず「うちの従兄なんだから」と口走りかけた瞬間、栞が手を伸ばして彼女の額を指ではじいた。

「残り二つの趣味なんて、もうあの人とは関係ないでしょ。いちいち腹立てる意味ある?」

「でも……」

歩美がなおも言い返そうとしたところで、着信が割り込んだ。

彼女はスマホを軽く振ってみせる。

「ちょっと外で出るね。栞は寝てて。起こしちゃ悪いし」

栞は特に疑いもしなかった。満腹も手伝って、実際まぶたが重い。素直に横になる。

――が、眠りに落ちかけたところで、栞はがばっと上体を起こした。

……いつからだろう。電話一本、歩美が隠れて出るようにな...

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