第39章

ドアが乱暴に叩きつけられる音がして、栞はむしろ胸を撫で下ろした。

あとで様子を見に来る?

それすら反吐が出る。

いっそ、ビッチに犬。末永くお幸せに。

嫌いな連中がいなくなると、栞は目を閉じて、もう一度眠りに落ちた。

昼前、歩美が保温ポットを提げて入ってくる。

「いやあ……普通は入院って、青い顔して落ち込むもんでしょ。あんたは何? 休暇?」

あの日、窓から落ちかけた件は、二人とも口にしなかった。

何も起きなかった――それだけで終わらせていい話じゃない。あの瞬間の絶望と恐怖は、当事者でなければ分からない。

傷なら、何度もこじ開ける必要はないのだ。

目を覚ましたばかりの栞は、ふ...

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