第47章

橘家。

源一郎と静香が玄関先に足を踏み入れた瞬間、冴子が満面の笑みで出迎えた。

「やっぱり……歳月は美人を裏切らないんですね。今日、カメラの前での所作ひとつひとつが、まさに名家の奥様って感じで。私もそのお歳になったとき、同じように品よくいられたらいいのに」

普段から奥様方の相手をしているだけあって、冴子の口はよく回る。褒め言葉など、息をするみたいに出てくる。

そして、褒められるのが大好きな静香は、たちまち頬を緩めた。

一方の源一郎は腹の内を隠したまま、ゆっくりとした笑みを浮かべる。

「哲也は有能だ。いずれ橘グループはさらに伸びるだろう。神谷が橘グループと組めるなら、先は明るい」

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