第81章

(しまった!)

司は彼女のためにあれほど長くポストを空けておいてくれたうえ、個人的にも多大な援助をしてくれた。

それなのに彼女は、一ノ瀬グループの誰かが自分の名誉を傷つけるのではないかと疑い、彼に対抗するための証拠を残そうとしていたのだ。

どう考えても、あまりに恩知らずだ。

栞は後ろめたさを誤魔化すように、適当な言い訳を口にした。

「噂話って、みんな好きじゃないですか。特にあなたたちの立場に関するものなら、同僚との距離を一気に縮められると思って」

そこまで言って、彼女はふと良い口実を見つけたとばかりに、その方向へと言葉を継ぐ。

「新入社員にとって、すでにグループができあがってい...

ログインして続きを読む