第82章

動画の中の栞は、優しく微笑む姿から一転、彼を見るなり飛びつくのをやめ、ビクビクと顔色を窺うようになっていた。

何度も料理を温め直し、彼の帰りを待つ。

だが彼が帰宅しても、どうでもいいような生返事を一言二言返すだけで、そのまま2階の寝室へ上がってしまう。残された彼女は、何度も温め直した料理を黙って捨てるしかなかった。

さらに多いのは、彼女が一人、ソファに座ったまま夜明けを迎える日だ。彼は結局、帰ってこなかった。

ある日、彼女はソファに力なく座り込んでいた。目元を赤くし、泣き出しそうなのを必死に堪えている。

だが、スマホに一通のメッセージが届いた瞬間、堰を切ったようにヒステリックな泣き...

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