第87章

ベッドに横たわると、車に寄りかかる蓮の姿が脳裏をよぎった。

眠れないかと思っていたが、寝返りを打った途端に夢の中へ引きずり込まれ、朝までぐっすり眠ってしまった。

翌朝はいつもより三十分早く起き、身支度を整え、手軽な栄養食を済ませてから、軽い足取りで家を出た。

早起きの恩恵でタクシーもすぐにつかまり、渋滞に巻き込まれることもなくスムーズに会社に到着した。

自分のデスクに座り、プロジェクトチームのここ数カ月間の進捗を簡潔なレポートにまとめ、今後の展開の方向性を書き添える。

始業時刻になると同時、栞はファイルを手に果帆のオフィスをノックした。

数カ月分のプロジェクト資料を一日で読み切る...

ログインして続きを読む