第9章

こんな都合のいい偶然、ある?

時間も、場所も、人物も――全部が噛み合っている。

栞のまぶたがかすかに震えた。けれど声は妙に落ち着いていた。

「何があったか、知ってるの?」

「強姦だよ!」

歩美は憤りを隠しもしない。

「前から聞いてた。あの宇ってやつ、色欲に取り憑かれたクズだって」

「部下もさ、ちょっとでも顔がいい子なら逃げられない。取引先にまで手を出してたって話だし。今回はたまたま……ミッドナイトの大ボスにぶつかったんだよ」

ミッドナイトの大ボスは、ずっと裏にいる。正体を知る者はいない。

ただ一つだけ、全員が知っていることがある。

ミッドナイトで騒ぎを起こしたら――絶対に...

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