第98章

聞き覚えのある、けれどひどく弱々しいその声に、司の心臓が大きく跳ねた。

声のした方へ視線を向けると、入り口に立つ栞の姿が真っ先に目に飛び込んできた。

整った小さな顔は煤にまみれ、髪はぼさぼさ。身に纏う服にいたっては、あちこちが引き裂かれている。

これ以上ないほど惨めな有様なのに、その双眸だけは星のように燦然と輝いていた。

星奏プロモーションの社員のほとんどは彼女が何者かを知らず、その異様な風体に眉をひそめる。

「警備員は何をしている! あんな不審者を中に入れるな、早く追い出せ!」

「そんなに慌てて私を追い出して、証拠でも掴まれるのが怖いんですか?」

栞は部屋の中へ足を踏み入れた...

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