第110章

新谷卿華の瞳がぱっと輝いた。久しく忘れていた――ただ「デザインのためだけ」に燃える、純度の高い昂ぶりが、血の奥にふたたび戻ってくる。

二人は図面を挟んで、長いこと話し込んだ。

構造の分解の段階から、生地の切り替えまで。長島愛蘭は遠慮なく欠点を突き、同時にまったく新しい発想も投げてくる。

時計の針は、午前1時を指していた。

金田川浬が車を出し、新谷卿華をマンションまで送る。

夜は深く、車内にはゆるやかなヒーリングミュージックが流れていた。

「長島先生、相変わらず容赦ないですね」

金田川浬はマンションの前に車をきっちり停め、横顔のまま彼女を見る。

「でも、認められましたよ」

「...

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