第111章

新谷卿華はノートパソコンを閉じ、断ることはしなかった。

確かに、空気を入れ替えるみたいに環境を変えて、頭の中のぐちゃぐちゃな映像を一度ぜんぶ洗い流したかった。

二人は海市のHL広場、1階のカフェで落ち合うことにした。

新谷卿華は少し早めに着く。

アイスアメリカーノを頼み、窓際の席に腰を下ろした。

5分もしないうちに、カフェのガラス扉が押し開けられる。

入ってきたのは古沢正言と江口伊予だった。

海市なんて狭い。ましてやこの界隈は、息が詰まるほどに狭い。

新谷卿華は一瞥だけくれて視線を引っ込め、スマホ画面のデザイン資料へ目を落とした。

けれど古沢正言は、入った瞬間に彼女を見つけ...

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