第19章
新谷卿華は追い詰められ、もう一歩も退けないまま、背中を冷たい壁に押しつけた。
下腹の鈍い痛みがまたぶり返し、眉がわずかに寄る。けれど声だけは、凍るほど澄んでいた。
「立花真淵。どう思おうが勝手。でも、これだけは変わらない。あなたたちとは、これ以上どんな形でも関わりたくない」
立花真淵が彼女の手首を乱暴に掴む。骨が軋みそうなほどの力だった。
「そのほうがいい」
見下ろす視線には、露骨な嫌悪と警告が滲む。
「新谷卿華。嫉妬で郁夜を傷つけるような真似は二度とするな。次があれば、俺は絶対に許さない」
一語一語が、毒を塗った刃みたいに、穴だらけの心臓へ正確に突き刺さる。
痛みで呼吸まで...
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