第33章

彼は、目の前の女をまじまじと見つめ直した。

ずっと「女神」だと崇めてきた、あの女を。

これまでは、須藤郁夜は優しくて善良で、可哀想な目に遭いながらも清純さを失わないタイプなのだと信じていた。

だが今は違う。瞳の奥に隠しきれない打算がちらつくのを見てしまい、服部放川の胸の奥に、言葉にできない気味の悪さが広がった。

わざと周囲を誘導して、新谷卿華を貶める。

そのやり口が、あまりにも浅ましい。

服部放川は妙な違和感を抱えたまま、それ以上は口を挟まなかった。代わりに苛立ち紛れに煙草の箱を取り出し、俯いて火を点ける。

じり、と火種が赤く灯り、煙が喉の奥を刺した。

一方で、立花真淵の車は...

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