第76章

その後の半月、新谷卿華は文字どおり星川スタジオに住みついた。

疲れを知らない機械みたいに、パターンメーカーの結城文浩と何度も何度も数値を突き合わせ、工場へも自分の足で通って生地の染め上がりや縫い目の走りまで張りついて確認する。

秋のオートクチュールに、持てるものすべてを注ぎ込んだ。

羽田糸でさえ、彼女の――どこか狂気じみた必死さに気づくほどに。

半月後、星川スタジオの秋季オートクチュールショーは予定どおり開催された。

流量スターなど一人も呼ばない、業界向けの純粋な発表会。

モデルが、新谷卿華が主導した黒のデコンストラクション調の主役ドレスをまとってランウェイに姿を現した瞬間、会場...

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