第85章

「ハッ」

新谷卿華は鼻で笑い、刃物みたいに鋭い視線を突き刺した。

「そのブレスレットは、私が血反吐を吐いて手に入れたものよ。それを女をあやす玩具扱い? 古沢正言……吐き気がする」

これ以上一秒も無駄にする気はない。卿華は彼をさっさと横切り、氷みたいな声だけを投げ捨てた。

「贈りたいなら自分のをやりなさい。二度と私に絡まないで」

古沢正言はその場で固まり、迷いなく去っていく背中を見送るしかなかった。顔色は鉄みたいに青黒い。

それから三十分後、会食は完全にお開きになった。

金田川浬が運転し、新谷卿華は助手席で窓の外を流れていくネオンを眺めていた。

車内にはゆるいBGM。外の喧騒は...

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