第97章

彼女はドアを閉め、全身鏡の前へ歩み寄る。身にまとった星空色のグラデーションドレスを、じっと見つめた。

確かに華やかだ。けれど裾が長すぎて、動くたびに足を引っ張る。――無駄に重い。

ハンドバッグから取り出したのは、携帯用の小さなハサミと、数本のピン。デザイナーとして、こういう「想定外」の処理は日常茶飯事だった。

迷いはない。膝上の位置で、ざくり。

装飾過多なロングの裾を、ためらいなく切り落とす。続けて腰の脇にピンを数か所、巧みに留めてタックを作り、ラインを締めた。

十分もかからない。

だらりとしたイブニングドレスは、シャープな不規則丈のショートスカートへ変貌する。

星空色の散りば...

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