第99章

彼女の指が画面の上を素早く滑っていく。速度はどんどん上がり、どの写真にも3秒と留まらない。

須藤郁夜の顔に浮かんでいた笑みが、じわじわと保てなくなっていった。

「無難ね」

長島愛蘭はタブレットを彼女へ突き返す。声音は冷たく、刃のように容赦がない。

「技術はある。でも商業主義が強すぎる。あなた、デコンストラクションをただの布の継ぎ合わせだと思ってるでしょう。量産のラインなら通る。でもオートクチュールでは致命傷よ」

須藤郁夜の顔色が、さっと白くなる。

周囲には同業者も多い。長島愛蘭のその評価は、衆目の前で平手打ちを食らわせるのと同じだった。

「デザインは才能と魂でやるものよ。寄せ集...

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