第105章 全員引きずり出せ!

彼女がいちばん嫌いなのは、こういう茶番だ。

やることはやっておいて、いざとなったら被害者ぶって泣き落とし。哀れみを買えば許されるとでも思っている。

「泣いてんじゃないわよ。さっきまでのあのイキりっぷりはどこ行ったの?」

橘彩花は腕を組み、ふん、と鼻で笑った。

「今日あたしが来なかったら、凛を踏みつけて、会社にいられなくするつもりだったんでしょ?」

鈴木雪乃は言葉に詰まり、すすり泣きさえ止まる。ただ肩を震わせるばかりだった。

夏目凛は脇に立ったまま、終始、口を挟まない。冷えた視線で執務室の面々をなぞり、同情、怯え、面白がる笑い――その全部を、逃さず目に焼きつけた。

分かっている。...

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