第11章 記者会見を開く

国分礼二は国分凛の病室を飛び出すと、廊下を駆けに駆けて名取心美の病室前まで来たところで、ふいに足が止まった。

手の中には離婚協議書。握り潰すほど強く掴んでいて、紙の端はぐしゃりと皺だらけだ。頭の中はぐちゃぐちゃで、何ひとつ整理がつかない。

「礼二!」

中からドアが開く。名取心美は彼の姿を見るなり、怯えた兎みたいに飛びついてきて、彼の腕にしがみついた。

「どこ行ってたの? すごく心配した……凛おねえちゃんのところ、行ったんでしょ? なにか意地悪されなかった?」

柔らかな体温。甘い香り。

いつもなら、きっと折れて、優しい言葉で宥めていた。

だが今の礼二は、表情ひとつ変えずに腕を引き...

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