第114章 イケメン?

その言葉が飛び出した瞬間、会社の受賞歴を紹介していた鳴瀬優真も、さすがに動きを止めた。

林田明に至っては、顔を見合わせるばかりで額にじわりと汗が浮く。

橘徹の問いはあまりに直球で、しかも踏み込みすぎている。商談の範疇を軽々と越えていた。

「橘社長、冗談はおやめください」

夏目凛は平静を装った。けれど声は、意識せずとも数段冷たくなる。

「大学時代の賞なんて、所詮は学生の遊びです。こちらの栄誉ボードは、会社に顕著な貢献をした社員を掲げる場ですから」

――つまり、自分は入社して間もない。まだ載る資格がない。そう言外に告げたつもりだった。

だが橘徹は引かなかった。すっと一歩詰め、凛の間...

ログインして続きを読む