第115章 いつもの場所

橘徹は長い脚でさっさと歩き出し、真っ先にエレベーターへ向かった。鳴瀬優真と林田明がその後ろにつき、専用エレベーターの前まで見送る。

夏目凛はその場に立ち尽くし、遠ざかる大きな背中を睨みつけた。胸の奥に溜まった息が抜けない。今すぐ追いかけて、思いきり蹴りを入れてやりたいくらいだ。

エレベーターの扉がゆっくり開く。橘徹は乗り込む直前、ふいに振り返った。鳴瀬優真と林田明の肩越しに視線を通し、まっすぐ夏目凛を射抜く。

「そうだ。昨夜、夏目リーダーが作った酔い覚ましのスープと豚の角煮、味は確かに悪くなかった。次は機会があれば、俺が飯に誘う。……お前の手料理、ちゃんと味わわせてもらう」

言い終え...

ログインして続きを読む