第117章 誰が君に手を出すというのか

彼はスマホを取り出し、夏目凛のLINEアイコンを開いた。

冷えた色のプロフィール画像を見つめながら、指先で画面をそっと撫でる。

――何を言えばいい。

謝る? だが、謝罪で何が埋まるというのか。

長い沈黙のあと、彼は視線を引き剥がし、目の奥に硬い決意を宿した。

一方の夏目凛は、橘彩花との通話を切った瞬間、胸の奥に溜まっていた澱のような息が、すうっと抜けていくのを感じた。

橘徹の性根の悪さは骨の髄まで染みついている。けれど彩花の「暴露」で、凛は気づいたのだ。

彼が狙っているのは自分だけじゃない。世界に対して、ああいう男なのだと。

そう思えた途端、心が少し軽くなった。

ゴミ箱の中...

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