第119章 やりたい放題になった

警察署の取調室の前は、重たい空気に包まれていた。

ほどなくして、防犯カメラの映像を確認しに行っていた警察官が、報告書を手に慌ただしく戻ってくる。

警察官は複雑そうな顔で夏目凛を一度見やり、それから橘徹へ視線を移した。額には細かな汗がにじんでいる。

「橘社長、夏目さん、橘さん。会社の正面入口の監視カメラ映像を確認しましたが……この方々は、言っていたように夏目さんを『お話に』連れていこうとしただけではありません」

声に迷いが混じったものの、彼は結局、事実を口にした。

「当時、夏目さんを無理やり連れ去ろうとしています。行為としては、未遂ではありますが……誘拐未遂に該当します」

「誘拐未...

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