第130章 元妻に静けさを買ってやる

高坂修治は笑ってひらひらと手を振った。

「安心しろよ。口は堅い。夏目さんの前で余計なことは言わない」

橘徹の、気になって仕方ないくせに平気なふりをしてしまう――あの面倒くさい意地っ張りを見ていると、可笑しくてたまらない。とはいえ、これ以上からかうのはやめておいた。

その食事のあいだ、橘徹は終始どこか上の空だった。黙って何杯も酒をあおり、ひとりで飲み込むように喉へ流し込む。

店を出るとき、高坂修治は個室の前まで見送り、肩をぽんと叩いた。半分冗談めかして言う。

「もういいって。世界の終わりみたいな顔すんな。今日みたいに素直だったご褒美に、監視カメラの件は俺が何とかしてやる。……ただし」...

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