第135章 見て見ぬふり

林田明は、「大成テクノロジー」の名がどこにもない参考リストを睨みつけた。長年ビジネスの場を渡り歩いてきたが、ここまで露骨に「人を舐めてます」と顔に書いてある発注側は初めてだ。

「国分社長、冗談にしては度が過ぎますね」

林田明は冷笑し、さっきまでのへりくだった調子は消えていた。

「国分グループにはすでに本命の相手がいるんでしょう。それなら、わざわざ夏目リーダーを名指しで呼ぶ必要がどこにあります? うちの大成テクノロジーは多国籍の巨大企業じゃありませんが、適当に引っ張り出して笑いものにされる筋合いもありません」

国分礼二は林田明に視線すら寄こさない。目は終始、夏目凛に貼りついたまま――ま...

ログインして続きを読む