第145章 お前は自分を何者だと思っているんだ

国分礼二は、名取心美が伏せたままの目をじっと見据え、言葉を区切るように問い詰めた。

「……何を送った?」

名取心美の唇が小刻みに震え、やがて観念したように吐き出す。

「……あなたが、私にくれたもの」

声はひどく小さい。壁に付いた監視カメラのマイクに拾われるのを恐れているみたいに。

「あなたがくれたネックレスも、ブレスレットも……それに、あのワンピースも。写真を撮って、あの人に送ったの」

国分礼二の瞳孔が、きゅっと縮む。

「……なんで、送った」

「なんで?」名取心美は勢いよく顔を上げた。目の縁は真っ赤なのに、口元だけが歪んだ笑みをつくる。「国分礼二、私に『なんで』って聞くの?」...

ログインして続きを読む