第148章 あなたよりずっと上

国分礼二の顔が、瞬く間に歪んだ。

「……何だと?」

夏目凛の手首を放り、国分礼二は高坂修治へ向き直る。じり、じり、と距離を詰めてくる瞳の奥には、隠しもしない殺意。

「高坂修治。自分の身の程ってもんを弁えろ。しがない法律事務所の若造弁護士が、この俺の前で口先だけで勝てると思ってんのか」

高坂修治は退かなかった。

むしろ半歩、前へ出る。両手をズボンのポケットに突っ込み、首を傾げて国分礼二を見上げる顔には、はっきりと『知らねえよ』と書いてある。

「国分社長。負けたもんは負けです。ここで俺に牙むいたところで、判決書の文字が勝手に消えますか?」

「てめえ……!」国分礼二のこめかみに青筋が...

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