第149章 彼の代わりに弁解するな

橘彩花との通話を切ると、夏目凛はマンションのエントランスに背を預け、俯いてスマホの画面を見つめた。

高坂修治が最後に言った一言が、まだ頭の奥に刺さっている。

「俺の弁護士費用なら、もう誰かが君の分まで払ってる」

――誰が?

その言葉を二度、三度と反芻したところで、ふっと違和感が胸をかすめた。

着信音。今度は高坂修治からだ。

「夏目さん。今夜七時、城南の新しくできた隠れ家レストラン。個室押さえたから来て」

「結構です」

「即答しないで。奢りだよ、君の財布は出番なし」

夏目凛は眉を寄せる。

「……あなたが言ってた、私の弁護士費用を払った人?」

「そう、その人の奢り。勝訴はめ...

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