第150章 契約結婚

「会って話そう」

城南にある隠れ家レストラン。個室。

橘徹が到着したときには、すでに高坂修治が中で待っていた。

テーブルに並ぶ箸と器は二人分。

――二人分だけ。

橘徹の視線が、空いた席に一瞬だけ止まる。

「来ないのか」

「来ない。お前のおごりって聞いた瞬間、秒で断られた。迷う素振りすらなし。こっちが半句も挟めないレベルでバッサリ」

橘徹は湯呑みに伸ばした手を、ぴたりと止めた。

「なんて言った」

「本人が言ったこと?」高坂修治は顎に手をやり、二秒ほど記憶を探る。「『橘社長とは親しくないので』だってさ」

高坂修治は、明らかに気にしているくせに平然を装う橘徹を見て、口元をひく...

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