第161章 隠し子の登場

彼は首を傾けるようにして横を見た。西村がベッド脇の付き添い用の椅子に身を縮め、首を変な角度に折ったまま眠り込んでいる。手にはスマホを握りしめたまま。

「西村」

西村はばね仕掛けみたいに跳ね起き、椅子から落ちかけた。

「国分社長! お目覚めですか!」

「今、何時だ」

「朝の七時です」

国分礼二はベッドの縁に手をついて起き上がると、鼻のチューブを乱暴に外し、留置針まで引き抜いた。

「国分社長! それは――」

「服」

西村は口を開きかけた。青黒い顔色を見て、喉まで出かかった『医者が二日は経過観察って』を飲み込み、踵を返して服を取りに行く。

国分礼二はシャツに袖を通し、第二ボタン...

ログインして続きを読む