第18章 彼女だけ

なぜ、あのとき電話をしなかった――?

追い出しておいて、また引き戻す。捨ててもいいし拾い直してもいい。まるで、都合のいい「物」みたいに扱ってきたくせに。

それなのに今さら、捨てられた側が自分から助けを求めなかったことを責めるだなんて。

滑稽すぎる。

隣にいた女性警察官もさすがに見かねたのか、そっと国分凛の手の甲に手を添え、国分礼二へ視線を向けた。

「落ち着いてください。ここは警察署です。国分さんは被害者です。今必要なのは問い詰めることではなく、まずは配慮です」

国分礼二の顔色が、さらに険しくなる。

いつから他人に、自分が妻にどう話すべきか指図される立場になった?

そこへ、調書...

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