第31章 賠償

ダイニングルーム。揺らめくロウソクの灯に照らされた、手の込んだディナー。ナイフを入れれば肉汁がじゅわっと滲むステーキ、グラスの中で艶めく赤ワイン。

なのに、国分礼二の頭を占めているのは、別荘を出る直前に見た夏目凛の顔だけだった。

青ざめた頬。

何を言われたのかも、どうして自分が怒鳴り散らして家を飛び出したのかも、思い出せない。

覚えているのは――血の気のない唇を、きゅっと噛みしめていたこと。

たかが、壊れかけのネックレス一本で?

そこまでする価値があるのか。

胸の奥から、理由のない苛立ちがむくむくと湧き上がってくる。

「礼二、どうしたの? まだ凛おねえちゃんのことで怒ってるの...

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