第35章 監視

社長室は、息が詰まるほど重苦しい空気に支配されていた。

「これが、てめえらが一か月かけて捻り出した案か? やり直せ。明日の朝までに新しいのが出てこなきゃ、部署ごと消えてもらう」

こっぴどく叱り飛ばされたプロジェクトマネージャーは、転げるように逃げ出していった。

国分礼二は苛立ちまぎれにネクタイをぐいと引き、頭の中から追い払えない顔を思い浮かべる。病室のベッドに横たわった、血の気のない夏目凛の顔。

――あの女。ここまで俺を算段に入れてきたか。

自傷まがいの芝居で同情を買って、折れさせるつもりだったのだろう。笑わせる。

二度と騙されない。

壁の時計に目をやる。午前中がまるまる潰れて...

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