第41章 偶然の出会い

国分礼二は、結局のところ私立病院へ向かった。

車を病院の正面に停めても、すぐには降りない。運転席に沈み込んだまま、苛立ちを煙に変えて吐き出していた。

窓は半分だけ下ろされ、白い煙が隙間からするりと逃げていく。

西村の言葉が、目に見えない針みたいに脳の奥をちくりと刺した。

結婚して三年――俺は、あの女に自分から電話をかけたことが一度でもあったか?

……ない。

番号を登録したことさえない。

用があるときは秘書を通すか、家の使用人に指示を出すだけ。だから、彼女が機種変して俺の番号を持っていないのも――普通、なのか。

その考えが浮かんだ瞬間、礼二は乱暴に押し潰した。

だから何だ。

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