第46章 空っぽのまま

煙を挟んだまま、彼は長いこと動かなかった。指先の一本が燃え尽き、じりっと熱が皮膚を刺して、ようやく我に返る。

それから三十分後。

エンジンをかけ、車は別荘の門前で停まった。

国分礼二はドアを押し開けるなり、闇に沈んだ建物へ駆け込む。

「灯りをつけろ!」

誰もいないリビングに向かって怒鳴ると、スマートシステムが応答し、眩い光が一瞬で空間を白く塗りつぶした。

がらんどう。

死んだみたいな静けさ。

眉間に皺が寄る。胸の奥の苛立ちが、じわじわ濃くなる。

礼二は勢いよく客間のドアを押し開けた。

中は灯りが落ちたまま、廊下の明かりだけが斜めに差し込み、部屋の輪郭を切り取っている。

...

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