第89章 理解できない

「そうですよ、林田さん」マーケティング部の鈴木部長までが便乗してきた。「夏目さんは優秀で、努力もできる。デザイン部に置いておくなんて、宝の持ち腐れですよ。うちのマーケティング部、最近大きい案件が動いててね。夏目さんみたいな即戦力がちょうど欲しいんです!」

「鈴木さん、調子いいこと言うなよ!」財務部の田中部長も負けじと声を張る。「夏目さんは数字に強いし、筋道立てて考えられる。うちの財務に来るのが一番だ。ちょうど副部長の席も空いてて――」

夏目凛は、あちこちから飛んでくる言葉を聞きながら、箸を動かす手がだんだん重くなっていった。熱心すぎる。むしろ不自然だ。

入社してまだ日が浅い。昨日の会議...

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