第百三章

だが幸いなことに、悠が千枝を社長室に呼んだのは、本当にただの仕事のためだった。

新作発表会以降、会社が手掛けるプロジェクトは格段に増えていた。

悠の指はキーボードの上で絶え間なく踊り、時折、様々な言語を操って各国の支社とオンライン会議をこなしている。

傍らにいる千枝も、息をつく暇もないほど忙殺されていた。

午前中だけで、目の前の書類は小さな山を築いている。

それでも昼休みに入る直前、なんとか全てのタスクを片付け終え、ようやく安堵の息を吐いた。

社長室に入ってからというもの、彼女のスマホは絶えず震え続けていた。

社内の噂話グループチャットで自分のことが話題になっているのは分かって...

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