第百二十九章

再び華悦ホテルの入り口に立ったとき、千枝はごくりと息を呑んだ。

前回は悠と一緒に来たが、まさか今日は友達と来ることになるなんて。沙百合はやっぱり宝くじにでも当たったのだろうか。

ロビーマネージャーは彼女の姿を認めると、すぐに恭しい態度で歩み寄ってきた。

「雪見秘書、早くご到着されたのですね」

「早く?」

千枝は訳が分からず、彼を見つめ返した。

「千枝、こっちこっち!」

綾子が小走りで入ってきて、その後ろには沙百合も続いている。

千枝はふっと笑みをこぼした。

「確かに早く着いちゃった。席の予約はしてある?」

「ええ、3階の海鮮ビュッフェよ」

沙百合は頷き、スマホを取り出し...

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