第25章

晴美は千枝の手をぎゅっと握りしめた。

「雪見秘書、かわいそすぎるよ。こんなの完全にパワハラじゃない!」

その真剣な眼差しを向けられ、千枝はただただ呆れるしかなかった。

だが、そんな突拍子もない理由にもかかわらず、隣にいた数人の同僚までもが深く頷いて同意している。

千枝は思わずため息をついた。どうやら社内における悠の評判は、相当ひどいらしい。

まさに大魔王の名に恥じない言われようだ。

そう思っていた矢先、晴美がわざとらしく大きな咳払いをした。

「九条社長」

「おはようございます、九条社長」

他の社員たちも弾かれたように直立不動になり、息を潜める。

背後から迫り来る威圧感に、...

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