第28章

「社長、やっぱり西園寺さんに服を借りてきましょうか? メイクも直した方が……」

千枝は完全にパニックに陥っていた。

こんな格好で外に出たら、社内チャットがどんな騒ぎになるか火を見るより明らかだ。

非難の嵐になっているのが怖くて、さっきからチャットの画面を見る勇気すら出ない。

悠は彼女の白い肌をちらりと一瞥した。そこにはまだ消えきっていないキスマークが残っている。すべて彼の傑作だ。

彼は無意識に視線を逸らし、言った。

「メイクはしなくていい」

千枝は口を開きかけたが、何をどう聞けばいいのかわからなかった。

メイクも服の着替えも必要ないなら、一体どこへ行くというのだろう。

結局...

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