第30章

由利のそのただならぬ様子に、千枝はぎょっとしてその場に立ち尽くした。

悠は顔色一つ変えずに一歩前に出ると、由利の行く手を遮った。

「警備員!」

悠の放つ強烈な威圧感に呑まれ、由利は身動き一つとれなくなる。

二人の警備員が駆けつけ、悠と千枝を背後に庇うように立った。

由利は涙ながらに悠を見つめた。

「九条社長、私は会社のために一生懸命尽くしてきました。ただ真面目に働きたかっただけで、何も悪いことなんてしていません。誰かの嘘を信じて私をクビにするなんて、そんなのあんまりです」

「社長だって以前、私のことを仕事ができてやる気もあるって褒めてくださったじゃないですか。私のこと、わかって...

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