第32章

「これは古い鉱脈で採れた極上の宝石ですね。色合いも透明度も申し分ない。オークションに出せば数億は下らないでしょう」

「さすがは車田さんだ。手にするものすべてがお宝だ」

「確かに素晴らしい。車田さん、このクラスの宝石がどれくらいあるんです? あるだけ全部買い取らせてもらいたい!」

周囲の人間が次々と持ち上げる中、拓洋はただニコニコと皆を見渡すだけで、一言も発しなかった。

彼の視線がぐるりと一周し、最後に悠のところで止まった。

「九条社長は若くして成功を収め、ジュエリーにも相当お詳しいと聞いている。さて、私のこの宝石はどう見えるかな?」

悠は指先でカフスを軽く回しながら答えた。

「...

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